フィールド・オブ・ドリームズ │ 奈良県の中学硬式野球チーム

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ある日の練習で子ども達に気づかされた事があった。

トスバッティングを練習していた時、全く出来ない1年生がいた。

私は、彼が出来るようになるよう一生懸命伝えた。
が、全く効果なし。。

そして、諦めた。
私が教える事を。

そして、上級生の選手にお願いした。

「昼休みに、〇〇がトスバッティング出来るようになるよう教えたって。
頼むわ!」

1年生にコーチ役として2名を指名し、任せてみた。

すると、どうなったか??

私が教えていた時よりも、ずっと早く、1年生がトスバッティングのコツを掴み始めていった。

上級生が、
「真っ直ぐボールにバットを当てろよー」
「タイミングが遅いねん!」
と、伝えながら手本を見せ始める。

更にもう1人の上級生が、1年生に向かって
「お前、ホンマに見てるか?見てないぞ」と、フィードバックを入れる。

うわっ!!
めっちゃシンプルに教えてるなあ。
的を得てるなあ。
人の事をよく観れているなあ!
あんな風に教えるのかなあ!!!

と、私自身が彼らの姿から学ばせてもらった。

最後には、チームの殆どの選手達がトスバッティングの周りに集まり輪が出来ていた。

そして、
「ほらっ、出来た!!」
「イイぞイイぞー!その感じや!!」
と、周りの選手達が声かけをし始めていったのだ。

その光景に感動した。

大人との関わりでは、あの光景は生まれなかったからだ。

そして、自分の事を振り返る。

指導者として、教えなければならない。
どんな選手も出来るようになるよう指導できなければいけない。

そう思っていた自分に「ハッ」と、気づかされた。

本当は必要の無い私自身の観念を、子ども達のおかげで1つ捨てられた。

今日は、キャッチャーフライを選手にお願いしてみた。

めっちゃくちゃ、上手で拍手喝采!!

大人が邪魔をしない。
余計な事をしない。
体験のチャンスを奪わない。

子ども達の中に、まだ眠っている沢山の光があるのだから。