フィールド・オブ・ドリームズ │ 奈良県の中学硬式野球チーム

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間も無く卒団を迎える3年生 通称ブルーの物語。

1年生時代を振り返ると懐かしくて仕方がない。

練習に来れば、必ず忘れ物をする。
ベルトを忘れた…
エクササイズに必要な道具を忘れた…

試合でのサインの見落としは、数えきれない程あった…
そもそも、超簡単なサインなのに覚えれなかった…
なので、何度もサインを覚える練習をした…

素振りをやると、これまた一体どこに向かって振っているのか分からないくらいヘンテコな様…

「自分でベースを書いて、立つ位置決めてやってみたら!」
そう伝えると、次に見た時には驚きの光景が待っていた!!

バットで地面にホームベースを書いている様子。

「わおっ!ブルーが意識して練習をやり始めた!凄いやん!」
そう心の中で小踊りしながら近くにいくと…

なんとホームベースを逆さまに描いて、至って真面目にバットを振っていた!?

「あちゃーっ!残念!!」

こんな事が日常茶飯事の中で、ブルーと私達の野球は続いていったのだった。

ただ、彼には1つの優れた才能があった。

それは、「自分の身体を自分の思うように扱う
こと」。

野球は、自分の身体を使い道具を上手く扱えるようにならなければいけない。

お世辞にも、彼は道具を扱う事に関しては上手だとは言えないレベルだった。

しかし、チームで取り組む身体能力を上げる為のトレーニングに関しては、抜群の能力を発揮していたのだった。

2年生の冬、腕を骨折した事がきっかけで、余計な力みがなくなり、一気に足が速くなっていった。

3年生春。
土のグランドでの計測で、50メートル走を6.4秒の記録を叩き出し、走りでチームNO1へと成長!!

気がつくと、この頃から家での口癖がなくなったらしい。

「どうせ、オレは…」
「どうせ、オレなんか…」

皆と同じではないかもしれないけど、何か1つ輝けば良い。

私達は、そう思い向き合ってきた。

そんなブルーは、次のステージを野球から離れ、「陸上」へと進もうとしている。

自分がコレだ!!と思うことを見つけて、自分の可能性を見出していったようだ。

私達が野球を伝える目的は、試合に勝つこと、
ヒットを打つこと、強い学校にスカウトされること、そんな事ではない。

「1人1人が自分らしく、
 人生の主人公となって生きていくこと」

コレが私達の目的。

今週末、某高校陸上部の体験練習に参加する。

彼が選んだ道を心から応援しよう!