【練習試合・大阪柏原ボーイズ 3月27日】
松田のバットが、チームに勢いをもたらした。初回2死満塁。初球から積極果敢にバットを振り抜くと、白球は中前で弾み2点打となった。相手の中継プレーが乱れる間に、判断良く一塁走者の森井も生還。緊張感漂う今春初の対外試合でいきなり3点を挙げ、最高の先制攻撃となった。
「序盤に、2年生が集中してチャンスで打ってくれました。コロナや雨の影響で試合が流れてしまい、きょうが初の対外試合。その中で試合を楽しくやりながら、いろんな課題が出てくれたらと思っていましたが、点を取らなければいけないイニングで、タイムリーが出たのは良かったです」
堀泰人監督が評価した背景には、昨秋の戦いがある。旧チームの主力が残り、優勝候補の一角として見られていた関西地区予選。再三にわたり好機を築きながらもあと一本が出ず、まさかの3戦全敗に終わった。1週間後に迫った全日本選手権の予選を前に、同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。試合開始早々から訪れた試金石を前に、チームとしての成長を結果で示した。主将の中谷は言う。
「みんながこの冬に取り組んできたことを出せたと思う。積極的な走塁をテーマに試合に臨みましたが、それもできた。あとは大会までに個々がいかに頑張るかだと思います」
投げては、その中谷がエースらしさを存分に見せつけた。四球と失策の走者を1人ずつ出したが、打者13人を無安打。リーグ戦の球数制限を見据え3回⅔で降板したが、4つの三振を奪った。その後も小刻みな継投で7回を零封。得点圏に5度も走者を進めながら、バックも守り切った。
「詰めの甘さなど当然、課題もありますので、残り1週間でしっかり準備をしていきたいと思います」
2試合目も打線がつながり連勝したが、堀監督はかぶとの緒を締めた。雪辱を期す今春。勝負強さを身につけつつあるFODナインが、白星を積み重ねる。
○…腰椎分離症のため昨年6月を最後に戦線を離脱していた西本が「3番右翼」として実戦復帰を果たした。「思い切りプレーできました。久しぶりに試合に出られて楽しかったです」。試合から遠ざかった間は、主に三塁ランナーコーチとしてチームに貢献。大きな声で仲間を励ますなど、腐ることなく裏方として支えた。持ち前の打力を生かし2安打3打点を挙げると、右翼の守備でも好プレーを連発。溜まった鬱憤(うっぷん)を、グラウンドで晴らした。