【奈良FOD0-8兵庫神戸 4月3日 太陽が丘球場】
悔しい敗戦の中にも、堀泰人監督は確かな収穫を感じ取った。4回以降に4イニング連続で2点を失い0-8。最後は点差が開いたが、昨秋までに見られたズルズルと失点を重ねる姿はなかった。
「成長の跡は見えました。これまでなら大量失点していたような場面でも、何とか2点で踏ん張れたと思います」
象徴的だったのは2点を追加され、なおも無死三塁が続いた5回だ。マウンドにナインを集めハッパをかけると、エース中谷幸太がギアを入れた。2者連続で空振りの3球三振。最後もカウント1―2から空振り三振に退け、ピンチを切り抜けた。
「あの場面は技術じゃない。本気になったらあのピッチングができる。本来の能力に対して自己評価が低い。その辺りは、もったいない部分です」
堀監督は圧巻の奪三振ショーを称賛しつつ、大きな期待を込めてエースの巻き返しを願った。次戦は10日の京都戦。公式戦で一度も勝ったことのない高い壁だが、チームに勢いをもたらす上では最高の相手となるに違いない。