フィールド・オブ・ドリームズ │ 奈良県の中学硬式野球チーム

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【奈良FOD22―1京都R 4月11日 三重県伊賀市グラウンド】

 現チームになっての公式戦初勝利は、〝変化〟からもたらされた。昨秋の3連敗から始まり、今春も開幕から2試合に連敗。閉塞感の漂う現状を打破するべく、堀監督が試合前から動いた。

 「特に3年生が開幕からの2試合で〝試合で戦う〟というマインドに入っていなかった。打順を入れ替えたり、メンバーを入れ替えたりする中でいい学びの日になったらいいな、という思い。こちらとしては、何か変化が欲しかった」

 試合前練習から、普段とは空気が違った。コーチが打ち付ける激しい打球に対して、ナインが必死に食らいつく。ともすれば、これまで希薄に映った、ファイティング・スピリッツ。各選手が大声を出し合いながらノックに挑む姿勢こそ、相手と戦う上で最も必要な要素だった。

 「その中で2年生がこれまでに出た課題に対し、克服しようとする姿が時に良かったです」

 スタメンも大幅に入れ替えての京都R戦。指揮官の期待に応えるように、2年生が躍動した。公式戦初先発となった松下が2回を無失点。課題とされた2イニング目でも集中力を切らさない投球に、打線も応えた。これまた公式戦初スタメンだった萩原が先制タイムリーを放てば、出場機会の少なかった稲岡、北寺の2選手もしっかりと役割を果たした。指揮官は言う。

 「こちらが試したかったことを、いろいろとやることができた。13人全員が出場できての勝利。今後を見据えても、非常に大きな1勝になると思います」

 決勝トーナメント進出を見据え、負けられない戦いは続く。昨年からレギュラー入りしながら殻を破り切れていない3年生が、2年生の活躍をどう感じたのか。チームとして本当の強さをつかみ取るのは、3年生自らが主体的に〝変化〟した時に他ならない。