チームに入団し、しばらく経ってから彼の走る姿を観てつけられたニックネームは、
「エヴァンゲリオン」
身体の使い方が悪く、しっちゃかめっちゃかした動きをしていたからだと思う。
中学時代は、身体の成長が早すぎて色々な事が追いつかない時期が長かった。
試合には出場出来ない時も長かったが、試合中は私の横に座り、試合後は疑問に思う事を質問しにくるような選手だった。
高校に進んでからも、定期的にグランドを顔を出してくれて近況を話してくれていた。
高3。最後の夏。
大会前もグランドに来てくれていた。
「高校終わった後は、どうするつもり?
野球、続けるつもりあるんか?」
と、彼に聞いてみた。
「やりたいです!続けます!!」
ハッキリとした返事が返ってきた。
そして私は、
「そのつもりならさぁ、正直に言っていい?」
「自分くらいのキャッチャーやったら、大学ではザラにいてるわ。
ピッチャーどうや?
高校で投げてないから肩も消耗してないし。
身体の長所を生かせるやん。
後は、エクササイズとジャベリックで感覚掴んでいく。
そしたら、その先の可能性も出てくるやろ。
可能性に賭けてみーひん?」
その後の彼は、凄まじかった。
夏の高校野球が終わるとすぐに、陸上部の顧問に直談判して、やり投げに挑戦。
走り方も見直し、エクササイズを追究。
自らの可能性に向けて挑戦が始まっていった。
今、彼は大学生。
この冬。
プロ野球選手が集まる自主トレに参加させてもらえるかもしれないチャンスが巡ってきているとの事。
まだまだ彼の物語は続く…